LINEモバイル 展望と予想/今夏格安SIM参入 

無料対話アプリのLINE(東京・渋谷区)は2016年3月24日、今夏を目指して格安スマートフォン(スマホ)事業に参入すると発表しました。料金を月500円からに抑えて、LINEの対話アプリを使用する際のデータ通信を使い放題にするようです。

格安スマホはイオンやケーブルテレビ大手などが既に販売サービスを開始しています。現状でも大きな市場が更に拡大すると思われますし、若者に人気のLINEの参入で競争が一段と激しくなる事が予想されます。

月額500円のプランでは、音声通話や動画視聴などの機能がある同社の対話アプリにデータ通信量の上限を設けない方向で、使い放題にする旨の説明を制作発表で公表しました。交流サイト(SNS)のフェイスブックとツイッターも無制限で使用する事が可能でNTTドコモから回線を借りてサービスを提供するところまでは決定しているようです。

SNSを使用して動画を観る方は、データ通信量がすぐに上限に達し、見られなくなってしまうことも珍しくないですが、LINEのスマホであれば追加課金や通信速度の制限を気にしなくて済みます。

調査会社のMM総研(東京・港区)によると15年9月時点の国内のスマホ契約数は7237万件で、LINEを使用する方は6800万人に達しています。このままではLINEの利用者数の上積みは望めないという事で、舛田淳取締役は「国内の携帯の半分はまだスマホになっていない。既存のスマホ利用者も料金に不満がある」と話し、格安スマホで新市場を開拓する考えを示しました。

LINEは「格安スマホ事業だけで黒字にできる」と予測していますが、使い放題にして顧客にLINEのアプリを長時間利用してもらえば、広告収入や有料サービスへ加入する機会が増える効果を見込めるはずです。ただ同様のサービスが他社も含めて普及すれば回線への負担が増し、通信会社が対応を迫られる可能性も出てくる恐れがありますね。つまりはLINEに習って大手がどんどん参入してきた場合、これまで守られていた速度などが一気にダウンする恐れもあるという事です。
格安スマホ市場には異業種企業が相次ぎ参入し、今現在安さやサービスを競い合っている状況です。ユーザーが気になる部分は主に「価格」「速度」「各種サービス・オプション」といったところでしょうか。
イオン傘下のイオンリテールは2月からデータ通信だけで月額480円のプランを選べるようにしました。更にケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(JCOM)の格安スマホは月額2,980円で、自社の動画配信サービスの通信も無制限に使用可能という情報も出ています。格安スマホの契約数は15年9月末に405万回線で17年3月末までに9割増えるとの予測が実際に出ています。

LINEは、MVNO型の携帯電話サービス「LINE MOBILE」を提供すると発表しました。ドコモ回線を利用し、利用料は月額500円~という驚きのプランを打ち出しました。当然業界は騒然としています。なぜなら既にLINEにて若い世代をがっちりと掴んでいる企業が格安SIMに参入してくるからです。これにて大幅に戦力図が変化を行い、多くの会社が更なる顧客収得の為に、様々なサービスによって凌ぎを削る事になって行きます。
従来のMVNOサービスでも重視されてきた価格と品質に加えて、LINE MOBILEでは「ユーザーのニーズ」「ユーザーの利用の仕方」「利用シーン」に最適なプランを提供すべきと考えた、との事です。

① LINEの利用は「UNLIMITED」とされ、通信量としてカウントしない。
② LINEのコミュニケーションを使い放題にして、快適にコミュニケーションできるようにする。
③ トークだけではなく、IP電話機能、チャット上の動画、タイムラインなどが使い放題になる。LINEの全てのサービスの通信量が使い放題になるわけではなく、生中継サービスの「LINE LIVE」は対象外になるとのこと。

などと既に発表会見でほのめかしています。

ただし500円プランでどの程度の通信量が利用できるのか、あるいは期間拘束が設定されるかどうかなど、他社との競争上、詳細は明らかにされず、今後あらためて案内される事になるようです。 これに関しては個人的には500円も下る勢いのプレミアムプランが誕生する予感がしてならないのですが…皆様お楽しみに。

音声通話については、LINEユーザーの間ではLINEの無料通話(IP電話)があくまで主流であって、まずはそちらに対応する、という考えになるとの事でした。いわゆる回線交換方式で品質が担保された音声通話サービスは、現時点では提供されないと思われます。
LINE社内の事業としては、LINE MOBILEは単独で収支をまかなえるような形で運営されるようです。 MVNE(MVNO支援事業者)を利用して参入するとの事ですが、どのMVNEを利用しているかは、今回明らかにされていません。もちろんこちらにも注目していかなければなりませんね。

またLINEの為ではなくユーザーの為のサービスとして「UNLIMITED COMMUNICATION」を掲げるプランも用意される予定です。このプランではFacebookとTwitterの主な機能での通信量もカウント対象外になるようです。どの料金プランでもLINEは使い放題になる見込みですが、とても大変な事が起こりそうですね。
LINEが交渉したのはFacebookとTwitterの2社だけとの事で、それ以外のサービスについては今後検討され随時発表される見込みです。Facebookが運営し、最近若年層で多く利用されているInstagramについても、同じく今後の検討との事でした。

更に音楽アプリで発生するデータもカウント対象外になるプランも提供される予定で、現在準備中との事です。 いわゆる「パケ死」を防ぐとして、まずはLINE MUSICを対象にするようです。その後は多くの音楽サービスとの連携も想定しているとの事です。

LINE MOBILEのサポートもLINEを通じて、チャットで対応する形にあるという、なんでもLINE内で収める内容と予測が付きます。LINEの取締役CSMOである舛田淳氏は、様々なアンリミテッド(使い放題)をパートナーと共に実現したい、と意気込んでいます。 既存のMVNOでは利用できない年齢認証について、LINE MOBILEでは年齢認証に対応して、ユーザーが18歳以上の場合、ID検索をできるようにする方針を打ち立てています。

LINEがMVNOへ参入する事を決めた大きな理由として、舛田氏は、日本におけるスマートフォンの普及率が約5割との調査データを挙げました。

以下 ~舛田氏コメントです~

「以前から取材を受けたときに、MVNO事業をやらないのかと質問をいただき、そのたび『やりません』とお答えしていた。その時点ではやる状況ではないと思っていたが、SIMロックフリー端末が(数多く)出てきたこと、MVNO事業者が増えたこと、そして一番大きなものとして現時点でスマートフォンの普及率が半分しかないことがある」

以下 ~出澤社長コメントです~

「今年はMVNOの比率が上がると思っている。今はITリテラシーの高い人に利用されているが、今年、来年はマス(多くのユーザー)の移動が起こるだろう。(今回参入することにしたのは)今がそのタイミングだから」

今回は、参入の意志表示と、特徴となるサービス、料金の概要が示されるに留まり、スマートフォンなど端末については触れられなかったです。 この点について問われた舛田氏は次のように答えています。
「端末はあえて触れていないが、まさに考えている。ローンチまでお待ちいただければ」とだけ語って、オリジナルモデルの投入などを期待させるコメントを残しました。

ユーザーがやり取りするメッセージの内容まで触れる事はありませんが、どのアプリを使用するかをチェックするという点、あるいは特定のサービスのみ有利に扱う事で他のサービスとの間で不公平な扱いになる、といった懸念があります。
この点について、LINEは3社のサービスを選んだのはコミュニケーションサービスの大半を占める為、という理由を明らかにした他、特に米国でサービス事業者と連携してより良いプランを作る流れがあり、ユーザーからもニーズに即したプランが求められている、と説明に至りました。

2016年3月24日に参入を発表したLINE。そこからちょうど2ヶ月後の5月24日、総務省の有識者会議が行われました。そこで発表されたのが「スマホ端末のデータ送信を最大2倍、受信を最大1.33倍の速さにできる新技術の使用」を認める答申が出されたのです。
これでスマートフォンの通信速度が大幅に上がりそうで、認定を受ければ各携帯会社がサービスを開始する見通しになる訳です。
このカラクリは、送信には複数の周波数を組み合わせて使う「キャリアアグリゲーション」という技術を使えるようにするようです。例えば2種類の電波を同時に使う事でデータの通り道を広げて、素早く通信する仕組みで既に実用化段階にある他、スマホで撮った動画などをすぐに送れるようになるすばらしい速度と安定感が誕生するというものなのです。
受信には「256QAM」という新技術の使用を認め、通信速度は最大で1.33倍になり、電波の状態がいい場所であれば、ネット上の動画などをよりスムースに観られるようになると言われています。いずれの技術も実際に使用するには新しい端末が必要で、各社は8月以降に発売するスマホに新機能を導入するとみられています。
この採用が決まれば、LINEはサービス開始からスタートダッシュが決まると言っても過言ではありません。格安SIM他会社が固唾を飲む中、LINEは静かに始動しています。

LINEモバイル TOPICS/専門家見解

「『LINEモバイル』がユーザーから歓迎される一方で、熊本地震の際にLINE通話を10分無料と告知したことは、回線への負荷が集中すると批判の対象に。今や通信インフラの一端を担う同社だけに、常識外の“社会貢献”に対し、LINEは通信については素人と言わざるをえません」と話すのは、モバイル評論家の法林岳之氏。

そのような通信事業に参入する「LINEモバイル」の魅力は、ワンコインから利用できることですが、果たしてそれは実現可能なのでしょうか?

「MVNOは価格競争が激しく、月額1,000円以下は当たり前。このタイミングの参入ならば、月額500円にそれほど驚きはありません。ドコモがLINEにだけ特別価格で回線を提供することはできないので、一定の帯域に多くのユーザーを囲い込むなどして一人あたりの単価を下げるしかない。ドコモで契約すると5,000円以上かかるのに、LINEモバイルだと500円で済むと何も考えず飛びつくと、あとで痛い目に遭う可能性は高いです」

そもそもスマホ利用で気になるのが毎月のデータ通信量です。通信速度が低下し、快適に使えなくなる格安スマホもある中で、「LINEモバイル」はお得なのでしょうか?

「多少のメリットはありますが、通話やメールの代替として、ビジネスでLINEが中心となることはないでしょう。まず基本的にログが残らない。電話番号ベースだけど、機種変更のたびに内容を引き継ぐのは面倒くさい。だったら、どこからログインしても使えるFBメッセンジャーや他のSNSで十分ですよね。LINEは個人のプライベートなやり取りに対してのものであって、ビジネスユースで軸になる可能性は低いです」

過去の事例はどうでしょうか。米国で話題となったFBフォンの売れ行きが大不振だったように、メッセンジャーの雄であるFBでさえも、通信事業への参入は失敗に終わっていますよね?

「ネット上のサービスを提供する企業が、通信事業に参入してうまくいった例はほとんどないです。まず1社でやることではないし、自社のことしか考えていない事業主が多いので、ビジネスとしてなかなか受け入れられない。FBが米国でFBフォンを出すと発表したときも大騒ぎになりました。これでiPhoneは駆逐されるといった記事もありましたが、冷静になるとFBフォンを持つ必然性がないから誰も買わなかった。楽天やYahoo!も参入後調子が良いらしいがこれで落ち着くほど通信業は甘くない」

2015年の国内スマホ普及率は49.7%であり、人口の過半数がスマホを利用していない状況で、LINEはスマホの普及率向上を目論みます。しかし端末とSIMをセット販売するかどうかは未定ですね。

「最初からLINEの端末で契約すると、あらかじめLINEも登録されているフルパッケージで提供するのか、従来のMVNOと同様にSIMだけの販売で、端末は自前で用意するのか、素人にもわかりやすいサポートをしないとシェアは伸びないでしょうね」

MVNO参入に対しては手厳しい法林氏だが、実は注目している新サービスがあると話しています。それは次の通りです。

「『LINE Pay』は凄い可能性があると思います。ポイント還元率が高いだけでなく、プリペイド式なので、クレジットカードを持たない層や審査に落ちる人でも持てる。それで手数料を稼げれば巨大なビジネスになります。例えば、モバイルで500円かかるけど、それはペイで貯めたポイントで払えるなど、ペイとモバイルを結びつけて事業を展開すると可能性は広がるでしょうね」

今ではスーパーや家電販売店、プロバイダーなど200社以上が参入するMVNOだが、2016年下半期はどんな展開になるのでしょうか?

「過当競争が始まって淘汰され、売却される事業者が出てくると思います。LINEのネームバリューには期待できますが、MVNO業界は勝負の一年ですね」

法林岳之氏

インタビュー抜粋

◆LINE広報に直撃!「LINEモバイル」はどうなる?

LINEはコミュニケーションインフラ提供者かつ、コンテンツプロバイダーの立場から、ユーザーごとの楽しみ方に応じた最適なプランが提供できると判断しMVNO参入を決定しました。LINEらしいサポート体制やポイントといったプラットフォームとしての充実化も進んでおり、ユーザーの皆様にメリットのあるサービスを提供できると考えております。

また、LINEは若年層だけでなく、幅広く全世代に、スマホ利用者のほとんどの方にご利用いただいている状況です。そして、ユーザーからは「LINEを使用するためにスマホを利用している」という声や「LINEだけを利用できればいい」といった声を頂いています。こうした状況から弊社がMVNOへ参入し、コミュニケーション・価格・品質などの点からスマホにおけるより良い利用環境を提供することで、フィーチャーフォンユーザーをスマホへと移行させることが可能だと考えます。

LINE、FB、Twitterは、App Annie社による「2015年月間アクティブユーザー数ランキング」において上位5位以内に入る、スマホ利用で不可欠のサービスです。ユーザーの皆様が求めるサービスを提供すべく、データ通信量をカウントしないプランを提供するという判断をしました。端末のセット販売の有無や「月額500円」といったサービス内容の詳細については、サービス開始時に改めてお知らせします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA